「はじまりのみち」ブルーレイ&DVD発売記念 原恵一監督トーク&サイン会 オフィシャルレポート到着!

はじまりのみち
(C)2013「はじまりのみち」製作委員会

12月5日(木)に原監督の初実写作品『はじまりのみち』ブルーレイ&DVDが発売になりました。その発売を記念して、12月7日(土)にタワーレコード秋葉原店店内イベントスペースにて、原 恵一監督のトーク&サイン会が行われました。

トークショーは事前にtwitter で原監督宛てによせられた質問を中心に進行。原監督自ら、映画の象徴的なシーンであるリヤカーを引くポーズも見せるなど、意外な一面ものぞかせ、笑いの絶えないトーク&サイン会となりました。

新垣P:『はじまりのみち』のプロデューサー、新垣と申します。本日は、皆様からの質問をどしどし原さんの方にぶつけてまいりたいと思います。では早速、第1 問。

―『クレヨンしんちゃん』『カラフル』『はじまりのみち』と、声優として宮崎あおいさん、麻生久美子さん、実写で加瀬亮さんを主演にと、適任な方々を配役されているように感じます。俳優さんを配役されるとき、どのように決められるのでしょうか?

原監督:やはり役のイメージにあった方というか、ものすごく当たり前な、全然面白くない答えなんですけど、そういう発想です。それに、最初に想った方が必ずやってくれるとは限らない。スケジュールの問題だったり。そういう時は、次の候補の方を考えるわけで。ただ、アニメの場合だと、割と生身の感じというか、肉体を感じさせるような。アニメって絵ですから、そういう感じを出してくれる人が好きですね。

新垣P:バラエティなどよくテレビをご覧になって、ピンとくる、あ、この人面白いな! とインスピレーションを受けることも多いそうですね。

原監督:そうそう。僕こう見えて結構バラエティ番組とかよく観てます。あぁこの人こんな演技するんだとか、こんな声出すんだとか、記憶を引き出しに入れるようにしてますね。

新垣P:次の質問です。

―『はじまりのみち』を観て、ユースケ・サンタマリアさん演じる(木下惠介の兄・)敏三さんと『クレヨンしんちゃん』のひろしが、とても似ていると思いました。意識されましたか?

原監督:いや、それは特にしてなかったかな(笑)。新垣P:ユースケ・サンタマリアさんはバラエティなどで垢抜けた楽しいイメージがありますが、今回『はじまりのみち』の敏三役はちょっと暗い影を持っているというか、とても優秀な弟・惠介に対し、現実を見ているという兄・敏三さん。ユースケさんのキャラクターを重ねたとかは?

原監督:キャラクター像ですか?でも、敏三のキャラクターを作っているとき、特にしんちゃんのひろしをイメージしたってことはなかったですね。

新垣P:逆に(濱田岳さん演じる)便利屋はどうでしょう。

原監督:惠介と便利屋は反発しあうキャラクターにしようと思ってました。敏三はその間でどちらの気持ちもわかってあげられるような立ち位置にしたいなとは思ってましたね。

新垣P:この映画の登場人物は実在の人物ですが、当初ほとんど情報がなかったのがこの便利屋さん。実際すごく年配の方ではないか、という説もありました。

原監督:最初は僕も寡黙なおじさんが一緒に行くつもりでいたんです。だけどある時、「どういう人かわからないなら、自分で創作できるなぁ」と思って。ちょっと思い切って、ああいう風に若くて、言いたいことを何でも言うような、惠介と一番真逆なタイプのキャラクターにしようと思いました。それが良かった。ただ、同じ松竹映画で、何となく“寅さん”のイメージに近づかないようには意識しましたね。

新垣P:確かに寅さんも少し女好きで、おちゃらけで、軽薄っていう。

原監督:でも、実は純で(笑)。 僕が手掛かりにしたのは、木下監督作『破れ太鼓』の主人公で、阪東妻三郎さんが演じた暴君で土建屋の親父。彼が若いころはこんな感じかなって。そういうことを考えながら作っていったキャラクターです。でも、脚本を書いた後、クランクイン直前に、新垣プロデューサーから「便利屋さんの素性がわかりました」って。田中さんって…(笑)

新垣P:(笑)。便利屋さんってすごいキャラクター性があるじゃないですか。でもいろいろ調べたら、田中さんっていう結構普通のお名前だった。しかも、結構年配の方だった。

原監督:でも、知らなくてよかった。脚本書く前に聞いてたら、それに合わせた人物像になってたと思うから。木下監督は便利屋さんにもずいぶん恩義を感じてたらしく、テレビ番組の「あの人に会いたい」みたいな企画で実際再会もしてるらしい。そういうエピソードもいちいち、木下監督らしいなと思います。人にすごく縁がある方ですね。『はじまりのみち』のエピソードで(木下監督の一行が宿泊する)澤田屋旅館といい、疎開先の勝坂の鈴木さんといい。僕も実際取材でお会いしましたが、偶然とはいえよくもこんな気持ちのいい人たちと縁ができたなぁと、木下監督らしい出会いだなと思いましたね。戦後も、実際になにかと交流は続いていたそうです。

新垣P:次の質問です。

―原監督は仕事を休職し、アジアを旅してたそうですが、その時の体験が創作活動に活かされることはありますか。また、最近はアジアや海外に旅行に行かれますか。

原監督:そうありたいと願っているというか。遊びで旅行に行っても、これが何かいずれ役に立つんじゃないかとつい思ってしまいます。

新垣P:『はじまりのみち』では、映画祭の上映で釜山、ベルギー、先日はインドにもいかれましたね。

原監督:ええ、インドのお客さんにも観てもらいました。

新垣P:インドではクレヨンしんちゃんファンも多いと聞いてますが?

原監督:僕も驚いたんですが、知らずに行ったら、結構若い人がみんなしんちゃん知ってて。ほぼ満席になりましたよ。始まってからもどんどん入ってきて。ただ、途中でどんどん帰って…

新垣P:出たり入ったりして。

原監督:ダンスがないのが不満だったのかも(笑)。

新垣P:ずっと観てるけど、結局踊らないじゃないかよって(笑)。

原監督:あと、携帯電話はかけ放題でしたね。上映中でもかかってきたら必ず出るし(笑)

新垣P:次の質問です。

―『はじまりのみち』を含め、原監督作品は食べ物、食事が大変重要なモチーフになっていると思います。意識的に取り入れていますか。それとも自然とそうなっているのでしょうか。また、そのモチーフの原点となるようなものはありますでしょうか。

原監督:食事は意識的に描いてます。食事って、カップルだったり、家族だったり、あたたかい気持ちでね、食卓を囲んで何か会話をしたり良い場になると思う。ただ、アニメでそれをやろうとするとすごく嫌がられる。食事を描くのはすごく大変なんです、アニメでは。説明すると長くなりますが。たとえば食べ物が減っていくとか、ちょっとつまむとかっていうと。

新垣P:たとえば、刺身ひときれを置きっぱなしには…

原監督:できないんですよ。正確に動かなきゃいけない。一切れの刺身めざして動かすとか。アニメって自由に描く方が楽なんです。食事だと、汁をすすったら、量が減らなきゃいけないとか。アニメーターは本当にうんざりする。ただ僕は、食事は意識的に描きたい。『カラフル』の時なんかは、気まずい場として、あたたかい場じゃなく、緊張感のある場所として食卓を意識的に取り入れましたね。クライマックスも食事にしました。

新垣P:今回実写で唯一の食事シーンが、便利屋さんが実際にはない食べ物を想像して食べてみせるエアカレー、エアビールのシーン。落語家がやるみたいな。あのシーンは、最初から意識してましたか。

原監督:なんかちょっとコミカルな場面も欲しかったんです。ああいう場面が入ると観てる人もホッとするんじゃないかなって。

新垣P:―最後に、一言『はじまりのみち』を通じてご来場の方々に何かありますか。

原監督:本日は本当に来ていただいてありがとうございます。『はじまりのみち』は、去年の11月頃まで撮影してて、一年ちょっとでソフトにまでになるっていうのは、アニメーションだと絶対にありえないスピード感です。この先も続けて皆さんの家の棚にあって、時々は引っ張り出してもらえるような存在になればと思います。同時に、木下監督の作品を見直すきっかけになってくれればいい。僕本当に、松竹の人に言わされてるわけじゃなくてね、『はじまりのみち』大好きですよ。自分の作品でこんなに言った作品はない。本当に大好きで、何遍観ても観飽きないです。我ながら、恥ずかしいことを言ってますけど(笑)。 本当に正直な気持ちで。自分でもこんないい作品ができるなんて期待してなかったんです、(実写が)初めてだから。あらためてみると、あの時の撮影の苦労、寒さだったり、スタッフや役者さんのことをすごく思い出します。皆かっこよかったなぁ。俺だけよくわかってなかった。(笑)

新垣P:特典映像は、原監督のちょっと格好悪いような姿から格好いい姿まで、満載です。原監督:いえいえ、僕の格好悪い姿がいっぱい入ってますけど。でも、メイキングも大好きです。(笑)とにかく何遍も観たんですよ。酒飲んで、またメイキング観るかみたいな。(笑)良い肴になりますよ。

以上

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◇リリース情報◇
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2013年12月5日発売
(Amazon.co.jp)

はじまりのみち [DVD]
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(Amazon.co.jp)

発売・販売元:松竹
(C)2013「はじまりのみち」製作委員会

 

『はじまりのみち』:
http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/hajimarinomichi/

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